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2008年9月29日 (月)

勝間和代の日本を変えよう Lifehacking Japan

勝間和代の日本を変えよう Lifehacking Japan


まず、勝間さんはノブレス・オブリージュの自覚のある人なんだ!というのが一言感想。日本のエリート層にはこの自覚が無いのが問題、という構造は、確か 佐藤俊樹さんの「不平等社会日本」や苅谷剛彦さんの「大衆教育社会のゆくえ」に書いてあったと思いますが、勝間さんはそこんところの自覚を持っておられる方のようです。
購入の動機としては、なんたって勝間さんと雨宮さんの対談が目当て!私がよく読む著者のお2人ですが、片や「自立のためには年収300万円じゃダメよ、600万円を目指しなさい」、片や「年収100万円台で生きられるか!健康で文化的な生存のために年収300万円よこせ!!」、出発点のケタが違いすぎるこのお二方がどういう話をするのか、話はかみ合うのか、めちゃめちゃ興味がありました。
当然ながら、「類は友を呼ぶ」のが人間なので、似たような嗜好・思考・階層の人に囲まれがちです。10代で会計士資格を取れるような方なら、当然人脈も勉強熱心で優秀な層になるので、30代フリーター・未来の展望ナシなんて知り合いが居なくて当然だと思いますが、「周りにいないから実感がわかない」とハッキリ言った上でちゃんとフリーター層の現実を知ろうとしている姿勢に好感が持てました。「インディペンデントな生き方ガイド」を読んだ時には、この人、年収100万円台なんて論外とかって初めから切り捨ててるのだろうか?という疑問もあったので・・・
ずっとエリートコースを歩んできて外資系を渡り歩くような優秀な人達にありがちな単純な自己責任論(フリーターは怠けてた自分のせいでしょ、私みたいに努力しないからよ、という言い方)をふりかざすようなことは全くなく、本の帯にあるとおり、格差・女性差別・貧困・資本主義の歪みを認めた上で少しでも良い日本の将来のために何ができるか?を考えているのがよく分かって、心底「ああ、この人いいな」って思いました。高学歴で外資系を渡り歩くような(外資系を渡り歩けるような能力を持った)優秀な人達の著作は、不安定雇用の低賃金層は初めから相手にしていないことが多いので、貧困に対してどう思ってるのかは、著作からはなかなか分からないわけですよ。本代に投資せよ、たって、食べてくだけでギリギリいっぱいの境遇だったらできるわけないし。私は幸い、本代くらいは出せる境遇にあるから、勉強=趣味なんてフザケたこと言ってますが(笑)
グーグル化とかフレームワーク力だと、もう初めから大卒ホワイトカラー層しか相手にしてなくて、恵まれた人達が更に足場を固めるにはどうやって自己を高めるか?みたいな話にしか見えなくて、私からすると雲の上のおハナシだったんですが、今回の著作では、中高年の雇用を守るために若者を切り捨てたことの問題(終身雇用の見直しや雇用の流動化が必要と提言されています)、女性差別が無意識下に根強くはびこっている日本の会社風土、アメリカンドリームと表裏一体のアメリカの貧困、そういうところをきちっと見据えて、中高年層の意識変革の必要性も訴えている部分が実に建設的。
最後の15の提言はおおむね賛成です。特に、若者ももっと投票するべき、最低賃金のアップ、正規・非正規の均等待遇、公教育の充実、配偶者控除よりも子供控除を、あたりは自分でも思ってることなので印象に残ってます。
本全体の中で一番印象に残ったのは「日本の女性は、性差別が厳然としてあるということを自覚せよ」という部分。女の側に甘えがあるのは事実だよな~・・・。私もそういう面があります。結婚するつもりはないから自分の食い扶持は自分で稼ごうとは思いつつ、女の子だからどうせ一生ヒラ扱いさ、と諦めてるとこあるので・・・。

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