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2008年10月 7日 (火)

外国語学習の科学

外国語学習の科学—第二言語習得論とは何か (岩波新書 新赤版 1150)
白井 恭弘

あの日向清人先生も推奨しておられたので、じっくり読み直してみました。

<印象に残ったところ>
・やはり日本語と英語は相当距離のある言語なので、習得が大変なのは事実である。
・英語が母語の人がヨーロッパ言語を学ぶ場合は母語から外国語に直訳しても実際だいたい上手くいくので、その人が次にアジア系の言語(たとえば日本語)を学び始めた時に同じことをしてしまうと、シュールな日本語になる。(日本人が日本語の発想で英語を話すとシュールになるのの逆)
・発音の聞き分けという点では、生後半年~1年の赤ちゃんが既に母語に必要な音だけを聞き分ける能力を取得している。
・これは『自分の言語にとって重要でない区別を無視することを学び、より効率的に言語を処理できる能力を身につけている、ということでしょう』→これはこれで、母語の習得には効率的なシステム!人間ってすごい。
・自分の適性にあった学習をした方が良い(適性と学習法をマッチさせる教育はできないのだろうか?と提起)
・外向性は語学学習にメリットがあると言えるが、内向性は相関がなく、メリットがあるともデメリットだと断言することもできない。
・動機づけはとっても大事。
・『インプットだけで言語習得をすることは不可能で、アウトプットも必要』この場合、「アウトプットの必要性」があればよく、実際に口に出して話さなくても、脳内リハーサルで英語の発話があるだけでも良い。
・なのでアウトプットは重要であるが、インプットが十分でないうちに無理やり話すと、ブロークンなまま定着するので、やはり「十分なインプット」があることが前提。

<まとめ>
『外国語学習の成功は、主として学習開始年齢、適性、動機づけによって決まる』

・動機付けを高める
・自分にあった学習方法でやる
・『外国語「で」情報を入手するレベルまで、なるべく早く到達するように努力することが大事』

<学習法アドバイス>
・自分の好きな分野・専門分野を集中的にやる
・例文暗記などで第二言語のデータベースを増やし、「変な」英語にならないようにする(十分なインプットをする)
・そのインプットの効果を高めるため、アウトプットは毎日少しでもやる
・語彙は文脈の中で覚える
・個々の発音よりも、リズムとイントネーションが大事

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コメント

著者の白井です。紹介ありがとうございます。
自分の本が紹介されているので、来てみたのですが、他の記事も面白くてつい読んでしまいました。

投稿: 白井恭弘 | 2008年12月 6日 (土) 11時38分

著者ご本人からコメントをいただけて恐縮です。しかも他の記事まで読んでいただけたとのこと、大変うれしく思います。ありがとうございます。
先生のこちらの著書は、新書というコンパクトサイズの中に外国語学習の基本がその根拠とともに押さえられていて、とても分かりやすく説得力がありました。インプット偏重になりがちな私にアウトプットの必要性を教えていただき、だからといって会話学校に行かないといけないとか会話だけやっていれば良いということでもなく、バランスの取れたご教示で、大変参考になりました。

投稿: 九条あおこ | 2008年12月 7日 (日) 14時58分

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