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2008年11月27日 (木)

好きを仕事にするって何だろう

「仕事」や「職場」にしようと思える好きと、そうでない好きについて。

そのジャンル全体のファンであるならば、評論やら出版、雑誌編集などで好きを仕事にしていくのが分かりやすいし、目指しやすいと思います。

しかし、特定の作品だけに萌えがあるとか、特定のキャラ萌えが幸せなだけの場合は、それは恋みたいなもんで好きの垂れ流しであって、仕事にはできない気がします。できないっていうか、しない方が幸せっていうか。
例えば、まんが。私は絵も上手くないし小説も書けないので同人は作ってませんが(笑)、例え絵が上手かったとしても、それを同人だけでなく仕事にするかといったら(仕事にしたら幸せかといったら)、オリジナル含めて創作や絵を描くこと自体が大好きだったらいいだろうけど、特定の作品や特定のキャラが好きなだけで、その萌えを昇華したいだけの場合は、同人の方がずっとずっと幸せで自由で楽しいでしょ。商業誌になったら、自分の自由に描けるわけじゃないし、好きなキャラばっかり描けるわけじゃないし、制約が多すぎる。だからプロになっても同人活動も継続してる作家さんもたくさんいるし。絵や話がすごく上手かったら、商業誌アンソロジーくらいは時々描いて、多少の原稿料をもらったりっていう、そのくらいの意味では「仕事にできる」かもしれないけど、それはあくまでアルバイトみたいなものであって、それで食っていこうというレベルではない。その作品が好きでやってることであって、まんがを生活費を稼ぐ本業にするなら、やっぱ特定のキャラ萌えだけじゃだめ。好きなキャラを好きなように描いて楽しむ、それはやっぱビジネスにはできないし、ビジネスにしたら楽しくない。

私はどうも、そういうビジネスにしたら楽しくない「好き」ばっかりで、ビジネスにできる好きってよく分からないのです。オタクカルチャーの評論とか、そういう分野もありますけど、そうなるとやっぱ、主観的な自分の好きなキャラ萌え感想文じゃない、客観論とか全体論とかを語ることになるわけで、それは別に私にとっては楽しいとは思えない(笑)まんが・アニメ大好きですが、仕事にしたいとは思えないのです。精神は時々本気で2次元世界に入り込んでますが、ビジネスとの接点は見出せません。恋愛に夢中になってるのと同じで、それはビジネスの種じゃあない。

あー、そうだ、たとえば好きが高じてアニメーターになったら、それはまさにストレートに「好きを仕事に」の体現となりますが、しかしアニメーターなんて収入的にはワーキングプアど真ん中、本当に身を削って自己搾取の世界へようこそ!・・・好きなら幸せかもしれないけど、うーーーーーーん、幸せ・・・?もし絵が上手くても、会社員やりながら、同人誌作って萌えを発散してるくらいが幸せなんじゃないかと思ってしいます。

だけど、会社員やりながら、同人誌作って・・・と言っても、今や境遇によっては安定した会社員になること自体も難しい時代。オタクに多い(私もそうだが)”コミュニケーション力不足”な人間は、大卒でもフリーターにしかなれなかったりする。←就活のバカヤローはなんたって帯がイカしている。いかにも気弱で口ベタなのに「コミュニケーション能力ばつぐんです」と答えざるを得ない昨今の風潮を鋭く突いている(笑)
まして高卒ともなると、正社員になるとしたら小売や旅館などのサービス業か、工場で地道な作業に従事するくらいしか道はなく、公務員試験の高卒級以外で事務系で正社員になるのは今はもう高卒じゃほとんど無理なのではなかろうか。人と接するのが好きな人はサービス業でいいだろうけど、コミュニケーション力不足なオタクはサービス業は向いてません(^^;工場労働は単調で辛いしねえ・・・。

昨日の記事でも書いたけど、いまどき、趣味をやるために「安定して(正規雇用で)、だけど残業は多すぎず、趣味に使える時間がちゃんと確保できる」仕事に就く、ということ自体が厳しい。一生懸命に就職活動して正社員になったはいいが、長時間労働の社畜と化し自分の時間が全く取れない…とか十分にあり得ます。仕事第一で外資系でバリバリ稼ぐぞ!とかいうヤル気まんまんの人なら、最初の数年は馬車馬のように働き、その後にワークライフバランスを考えるという人生設計もあるでしょうが、それは趣味第一の人間向きではない。基本はお金より自由にできる時間、だけどお金も最低限必要です。私は、たまたま”お勉強”ができて、たまたま大学に行かせてもらえるだけの余力のある家庭に生まれることができたので、それを種に中小企業で事務系の正社員になることができましたが、勉強がダメで高卒のアニメオタクだったらと思うと・・・恐ろしいです。

上記「たまたま”お勉強”ができて」のフレーズは、こちらのブログで拝見し、これだ!と思ったので勝手に借用させていただきました。『たまたま”お勉強”ができて、たまたま”高い学歴”も得られたから』このフレーズを読んで、私も、たまたま勉強ができてたまたま大学に行けるお金があっただけだよなあと思ったのです。
いま30代以上の腐女子ってなんだかんだ言って、とりあえずワーキングプアじゃない程度の生活は確保できてて、その上で趣味に走ってる恵まれた層だよなあと(自分を含めて)思っています。これが今10代後半あたりだと、まずどうやって安心して趣味に突っ走るだけの生活の安定を得るか?という課題が重そうです。

そういう世の中の流れが、もはや古めかしい労働運動では解決しようのない時代の趨勢であることは、最近読んだあれこれの本で分かってきたのですが(まだ記事にしてませんが、「暴走する資本主義」は本当に奥深かった!)、どうしたらいいのかはまだよく分かってません。

好きをビジネスにするって何だろう?

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