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2009年10月18日 (日)

【貧困のない世界を創る】

貧困のない世界を創る
ムハマド・ユヌス

今まで何冊か貧困に対する”傾向と対策”を語る本を読んだが、どれも先進国の側からの援助ほ方法論の域を出ていなかった。が、本書は途上国自ら発展する方法論。「貧困のない世界を創る」方法として著者が提唱する方法論は、ソーシャル・ビジネス。その定義は、『社会的な目標を達成するために考えられた企業』(P23)
利益を最大化することを目的とする従来のビジネスではなく、原価は回収しつつ(あくまでビジネスであって慈善事業ではない)、配当はせず、生み出した利益は全て社会の発展のために再投資する。
氏はソーシャルビジネス専用の「ソーシャル・ストック市場」の創設を提案し、現在の”利益最大化企業”のような市場が形成されて、ソーシャルビジネスが世界のもう一つの潮流となることを理想図として掲げている。うーん、何とも壮大なる未来予想図である。

本書ではソーシャルビジネスの先駆けとしてのグラミン銀行や、その他のグラミン・ファミリーの事業について述べられている。
グラミン銀行はバングラデシュの貧しい女性達に(彼女達がささやかな家庭内起業をするための)小金を貸していて、その返済率は99%を超えるという。99%っていうのはスゴイね。グラミン銀行は、従来型の銀行が返済率がどうであれ貧乏人にはカネを一切貸そうとしてくれないために、氏が立ち上げたという。既存の銀行が身分のしっかりした&大口の顧客が大好きっていうのは、程度こそ違えど先進国でも同じことよね~。本書内でも、クレジットカードを持てないアメリカの低所得層が利用するペイデイローンの利率が暴利であることを指摘しているし、日本においても、あれだけ国策的に住宅ローンを勧めておきながら、しかしそれは大企業を中心とした「身元のしっかりした」正社員の特権であって、非正社員は蚊帳の外。(しかし今や20代の半数が非正社員とかいう時代になって、銀行は従来通りのやり方で今後もずっとやっていくつもりなのか?)
ほか、グラミン・ダノンのヨーグルト工場の立ち上げ&現地に即した流通システムの構築の話などなど、いずれも先進国のやり方の単なる導入でなく、いかにして途上国自ら発展する手助けをするかという事例満載。

ユヌス氏は2006年のノーベル平和賞を受賞している。いやー、同じノーベル平和賞っちゅーても、今年とはエラい違いだな(^^;

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